ルスツに波及するニセコ人気

前回の記事では、いかにニセコの人気が高いかを述べた。しかし同時に、ニセコのゲレンデ周辺の不動産はすでに上がりきっており、坪200万以上も珍しくない。そもそも売土地ももう少なく、新規参入組にとっては手遅れであることも述べた。そこで近年注目度が上がっているのがルスツだ。実際、ルスツはニセコを抑えてBest Ski Resort Awardを4年連続獲得していて、名実ともに日本一のスキーリゾートである。しかも、ニセコのように地価がバブル化しているわけでもなく、主な宿泊施設はルスツリゾートを運営する加森観光のスツリゾートホテル&コンベンション、加森観光が2015年にスターウッドホテル&リゾートとの業務提携を発表し、リブランドオープンした「ウェスティンルスツリゾートホテル(旧ルスツタワーホテル)」のみである。ではなぜここに来てルスツの人気が高まってきたのか?この記事でを分析していきたい。

ユーザーの目線での魅力

立地、アクセスの良さ

ルスツは、新千歳空港から車で約90分、札幌市から約60分、洞爺湖へ約30分など、いずれもニセコより近い。ルートで言うと、新千歳空港‐ニセコリゾート間にルスツリゾートがある。
新千歳空港、札幌発、ルスツ行きの無料シャトルバス、逆にスキー場から空港、札幌市へもシャトルバスが15分に一回出ており、行きも帰りもアクセスが良い。

新千歳からルスツまでの距離
最長109㎞
新千歳空港からニセコリゾート
最長132㎞

ゲレンデ・ホテルの質

ルスツリゾートおよびウェスティンルスツリゾートホテルは、それまでニセコが総なめしていたBest Ski Resort Award、Best Ski Hotel Awardを2017年より2年連続で受賞。長年の王者ニセコを追い抜き、名実ともに日本No.1の座に君臨している。要因としてあげられるのは、以下の5つだ。

ニセコに勝るとも劣らない良質かつ豊富なパウダースノー

ルスツは比較的内陸部に位置し、さらに標高があまり高くないことから、ニセコに勝るとも劣らない良質かつ豊富なパウダースノーが降雪する。ルスツリゾートによると、昨シーズン(2018年11月〜2019年4月)のピーク時には300 cm近いパウダースノーの積雪が記録されている。毎日パウダースノーが降るため、毎朝質・量ともに極上の新雪パウダースノーが味わえる事は、ルスツの大きな強みである。

初心者から上級者まで楽しめるバラエティに富んだゲレンデ

ルスツには37の異なるコースが存在し、初級者から上級者まで幅広い層が楽しめる。内訳は初級者コース30%、中級者コース40%、上級者コース30%であり、満遍なくバランスが取れている。

また、圧雪と非圧雪がほぼ半数なのも特徴である。ルスツの圧雪コースは日本最高級で、イゾラDコースなどの圧雪コースの朝一は、初心者にとっても非常に滑りやすく、どれだけスピードを出しても怖くないほどの心地よさである。それに対し非圧雪コースでは、良質なパウダースノーを堪能できる。最高級の圧雪コースと最高級の非圧雪パウダースノーコース、どちらも楽しめることはルスツ人気に起因しているだろう。

ルスツのコースは長いものが多く、37コース中14コースは1,000m以上である。ルスツオフィシャルサイトによると、最長コースはイゾラグランコースの3,500m。かなり滑りごたえがあるコースであることは容易に想像できる。さらに、長さだけではなく幅も広く、210mを超える幅のコース(スティームボートAコース)もある。

ニセコには多くの上級者スキーヤーたちが集うが、ルスツがよりファミリー向けなのは、このように、コースに豊富なバリエーションがあることが要因の一つと言える。広大な敷地に多種多様なコースを設けられるのは、北海道最大級のスキーリゾートならではの強みだ。

ホテル-ベース-山頂をつなぐ超高速リフト・ゴンドラ

ルスツリゾートには合計14基のリフトと4基ゴンドラが完備されている。

ルスツリゾートホテルからは6人乗りゴンドラが、ウェスティンルスツリゾートホテルからは2人乗りフード付きペアリフトが、それぞれ徒歩数分の場所からベースへ向かって伸びているため、宿泊客にとっては抜群の利便性である。

ベースから各コースの開始地点へは、ペアリフトやクワッドリフト、ゴンドラなどを使って移動可能で、合計で毎時間30,728人もの人を運ぶことが可能だ。これらの超高速リフトのおかげで、ルスツではほぼ並ばなくてもリフトに乗ることができ、また一部ではあるがフード付きのリフトも運行しているため、長いリフト時間を快適に過ごすことができる。超高速リフトを抜きにして、ルスツのロングコースたちを楽しむことはできない。

質の高いホテル

前述のとおり、ウェスティンルスツリゾートは、2017年より2年連続でBest Ski Hotel Awardを受賞している。客室は全てメゾネットタイプのスイートルームで、76㎡〜108㎡の広さのバリエーションがある。各客室内、館内共にアメニティが充実しており、温泉、アロマトリートメント(有料)、ジム、レストランなどが揃っている。(詳しくは公式ホームページを参照)

冬だけじゃない楽しみ方

ルスツリゾートの魅力は、冬のスキーリゾートだけではない。年中楽しめる温泉をはじめ、ヘリコプターに乗るツアーや遊園地も有している。また、新千歳空港・札幌・洞爺湖・ 小樽・登別などの主要観光地等からのアクセスが良いことは前述しているが、その利点が功を奏し、夏には各観光地を回るための拠点としても利用される。そのため、ルスツリゾートの主要ホテル2つ(ルスツリゾートホテル&コンベンションとウェスティンルスツリゾート)は、冬はもちろん100%近くの稼働率を誇っているが、夏でも60%を超える高稼働率を達成している。

投資家目線での魅力

比較的安い土地単価

ニセコがオーストラリア人を中心とした外国人スキーヤーたちの間で有名にになり始めたのは、2000年代初頭であるが、ルスツが巷で密かな注目を集め始めたのは、ニセコからBest Ski Resort Awardを奪った、ここ数年の話である。それゆえ、ニセコほど不動産価格は上昇しておらず、ニセコよりも比較的簡単に投資できることは留寿都村の不動産の利点と言える。ルスツのゲレンデから徒歩数分圏内の土地の坪単価は、2015年〜16年頃は2万円前後だったのが、2017年には5万円、2018年には15万と上昇していて、2019年4月頃には25万円〜50万円でほぼ売り地無しという状況に至っている。しかし、ニセコのゲレンデから徒歩数分の土地の坪単価が200万〜300万であることを考えると、ルスツ近辺の不動産は比較的安く、まだまだ伸び代があると言える。

実はニセコよりも高い地価上昇率

ここ数年で10倍以上上昇したルスツのゲレンデ周辺の不動産の話をしたが、この伸び率は実はニセコ周辺(ニセコ、倶知安)の不動産以上である。この伸び率を考慮すると、坪単価が数万円のゲレンデから車で5〜10分の土地(ニセコでいうと坪単価100万円あたりのエリア)が数倍以上になるのも時間の問題だろう。

ルスツ周辺の宿泊施設の少なさ

近年人気急上昇中のルスツだが、実は周辺の宿泊施設が極端に少ない。2019年9月時点でトリップアドバイザーに登録されている留寿都村の宿泊施設数は15で、100件以上のレビューを獲得しているのはルスツリゾートホテル&コンベンションとウェスティンルスツリゾートの2件のみだ。いずれも、ルスツリゾートを運営する加森観光が運営しているホテルである。これからますますルスツの利用者数が増加していく予測と、この事実を加味すると、ルスツ周辺に不動産を購入し、民泊やホテルを運用すれば、高利回りが期待できる。

コンドミニアムの勢い

現在、ルスツリゾートはザヴェールルスツ提携し、コンドミニアムの開発・販売を行なっている。ザヴェールルスツは、2014年〜2017年の4年間、Japan’s Best Ski Boutique Hotel Awardを獲得したザヴェールニセコの開発会社である。すでに施工も始まっており、価格は51㎡のもので6900万円である。なおこのタイプは、2019年7月現在で既に約60%が売れている。販売方法はプレビルド方式と呼ばれるもので、販売戸数に合わせて価格が上がっていくため、これから先ますます値上がりすることは間違いない。[1]

これだけコンドミニアムの売れ行きが順調であるので、周辺の不動産がどんどん買い占められているのも頷ける。そう、まさに今ニセコで起こっている高級コンドミニアム建設ラッシュが、近い将来ルスツでも起こることが予想されているのだ。

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